日本には、草木・染料・生物などから名付けられた伝統的な色が豊富にあります。昔から多くの人々に愛されている「梅」にまつわる和の色をご紹介します。
紅梅の花色のような、かすかに紫がかった色味の淡い紅色を意味します。英語では、バラの花の淡紅色としてローズピンクと呼ばれます。色の濃さに違いがあり、濃紅色・中紅色・淡紅色などの種類に分けられます。
紅梅色を赤紫よりにした、大人っぽいピンク色が梅紫です。英語ではアマランスパープルを指します。江戸時代の染色書には記載されていないことから、比較的新しい染色名と考えられています。
梅鼠は赤みがかった薄い鼠色で、薄いバラ色に似ていることからローズダストとも呼ばれます。江戸時代には派手な衣服を制限した「奢侈禁止令(しゃしきんしれい)」が出たことで、庶民の間で奥ゆかしい色合いの「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」が大ブームになりました。梅鼠もその一つです。
栗色がかった濃い赤茶色で、「栗色の梅染」を省略した言葉です。暗い茜色でもあることから、英語ではダークカーディナルともいいます。
シルバーセージとも呼ばれる梅幸茶は、グレー味を帯びた渋めの黄緑色を意味します。歌舞伎役者の初代・尾上梅幸が好んだことから、歌舞伎通の間でブームとなった色でもあります。
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